エレクトロニカやテクノ、ドラムンベースなどの多くが
妄信的なハイファッション/アートフォーム指向に陥ってしまった現在、 画一化されたクラブ・ミュージックシーンの退屈さを叫ぶ声が広く聞かれ始めています。
そういった状況下で、world'S end girlfriendは、 その稀有なほど強いロマンティシズムと奔放なキャラクターに裏打ちされた
真にオリジナルなスタンスで、クラブ・ミュージックからポスト・ロックまでを 横断する独自の豊潤な音楽を作り上げることで、多くの音楽ファンを魅了し始めています。
半野喜弘のレーベル「current」からの1stで衝撃的なデビューを飾った彼は、 その後もサッド・コア的な要素を取り入れネクスト・レベルに至った2nd(MIDI)を経て、
2002年夏にはスペインで開催された先鋭音楽家の集うフェスティヴァル「Sonar2002」に出演を果
たし、 その才能がワールドワイドな認知を得るまでに至りました。
別名義wonderland falling yesterdayによる本作「enchanted landscape escape」のコンセプトは、
「自分の中にある世界(風景)を描くこと。1つの中にある2つを最後の一点で交わらせるための片側を描く」。
その言葉どおり、彼自身の静かな感傷を印象的なストリングスと飛沫する 電子音のアンサンブルに託したかのような、暖かくも重厚な内容に仕上がっています。
world's end girlfriend自身は、wonderland falling yesterdayとの関係を
「始まりは終わりを含む、明日を思うのは今日、
夢を見ている現実、一瞬の連続は一瞬の終わりの連続、
生と死の終わりは同時。
2つは重なって流れるもの。終わりは一点。
相反するようにみえて同じものです」と語っています。
いわば、これは単に別プロジェクトとしての余興的なアプローチでは決してなく、 私たちの想像力以上に豊かなworld's
end girlfriendワールドのアナザーサイドが遂に魅力的な輝きをもって噴出し始めたかのような、
記念碑的作品です。 |